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「校正」が仕事の人のブログです。校正の紹介、業界の裏話などをご紹介します。
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イラストのチェックは難しい その2

世の中に出回っている印刷物に載っている文字の殆どは、決まったフォントで構成されている。
普段目にする印刷物の文字で手書きの物といったら、ロゴマーク、サイン、そしてイラスト内の手書き文字くらいだろう。
この手書き文字というのが実は曲者で、イラストレーターが誤って書いた文字がそのまま印刷されてしまう恐れがある。当たり前のことのようだが、これがなかなか恐ろしい。
ワープロや携帯で候補となる漢字を自動的に選出してくれることに慣れきっていると、思わぬ落とし穴が待ち受けているのだ。

例えば、こんなケースはどうだろう。
原稿の指示には

「大人と子どもが手を繋いで『環境問題について考えてみよう』と言っているイラストを描いてください」

とある。出来上がったのが、下のイラストだ。

手書き例
このイラストの中の文字を、手書きだと思って読んで欲しい。どこか、おかしいところはないだろうか。



 



「問題」が「門題」になっていたのには、気づいてもらえたと思う。
通常、漢字変換ソフトを使って「もんだい」と変換すれば、まず間違いなく「問題」と変換される。
これを手で書いたために、「門題」となってしまったのだ。滅多に起こらないミスだけに、意外と見落としてしまいがちだ。

こんなミス、すぐわかるよと思った方、「訪問と訪門」、「体裁」と「体栽」、「協働」と「協動」…仮に手書きでこれらの漢字が誤用されていても、すぐにわかるだろうか?
こんなとき、校正に一番大切なのは漢字を正しく覚えていることではない。ちょっとでもおかしいと思ったら(または、おかしいと思わなくても確認のために)、ひたすら辞書を引くことが、一番重要なのだ。

さて、記事の最後に、もう一つの答えを。
イラスト中では「環境」の「環」の字の十画目の横棒が取れている。これをパッと見でわかる人は、少ないだろう。もしかしたら、誰にも気づかれずにそのまま問題なく印刷されてしまうかもしれない。とはいえ、ミスはミスだ。



ちなみに、この環という字の書き間違えは、僕自身がつい数年前まで間違って覚えていたものだ。誰にも指摘されることなく過ごしてきて、ある日暇つぶしに漢和辞典を読んでいたところ、たまたまズームアップした「環」の字を見て、心臓が止まる思いをした覚えがある。
誰にでも、漢字の覚え間違いのひとつくらいは、あるはずだ。その誤って覚えた漢字の出番が、いつなのかは、誰もわからない。
それをはたして校正で止められるか。…ちょっと手ごわい相手なのは、間違いないだろう。

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